診療支援
診断

乏尿
Oliguria
菅野 義彦
(東京医科大学主任教授・腎臓内科)

緊急処置

【1】乏尿すなわち急性腎不全と考えてよいため,治療に入る前に少なくとも腎前性,腎性,腎後性の鑑別を行う必要がある。

【2】腎前性であれば輸液,輸血などの体液補充,腎性であれば血液透析を中心とする急性血液浄化,腎後性であれば腎瘻など外科的な処置が必要となる。

【3】鑑別で最も迅速なのは超音波検査で,水腎症,水尿管症を認めれば腎後性である。腎前性と腎性は鑑別が困難であることも少なくない。

診断のチェックポイント

定義:成人で尿量が1日400mLまたは0.5mL/kg/時(体重60kgで30mL/時)であるが,現在は急性腎障害(acute kidney injury:AKI)の定義を用いて早期に診断し,介入したほうがよい予後が得られると考えられる。AKIの定義としてはKDIGOガイドラインによる診断基準〔「急性腎障害」項()の表1参照〕が推奨されている。

【1】病歴:通常の生活で自らの尿量を

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?