緊急処置
【1】尿閉:排尿が不能ないし不十分で,膀胱内に多量の尿が溜まった場合,緊急の導尿あるいは尿道カテーテルの留置が必要である。可能な限り超音波検査を行い,膀胱内に多量の残尿(300mL以上が目安)があることを確認する必要がある。
【2】尿路感染症:排尿困難により複雑性尿路感染症となる場合がある。多量の残尿を伴う有熱性尿路感染症ではドレナージを検討する。
診断のチェックポイント
●定義
❶本来,排尿・蓄尿にかかわる症状は下部尿路症状としてまとめられる。そのうち,排尿困難・尿線途絶・腹圧排尿といった尿排出にかかわる症状を排尿症状とし,頻尿・尿意切迫感・失禁といった蓄尿にかかわる症状を蓄尿症状として扱う。
❷従来から使われる排尿障害あるいは排尿困難という語は,狭義の排尿症状・蓄尿症状を包括した広義の症状として取り扱うのに用いられる場合がある。本項では,広義の排尿困難として取り扱う。
【1】病歴
❶排尿困難