診療支援
診断

脳腫瘍
Brain Tumor
竹島 秀雄
(宮崎大学教授・臨床神経科学講座脳神経外科学分野)

診断のポイント

【1】進行性の頭痛や神経症状。

【2】成人以降に初発するてんかん発作。

【3】眼底所見:頭蓋内圧亢進によるうっ血乳頭や腫瘍の直接圧迫による視神経萎縮。

【4】年齢と病変の局在に注目する。

緊急対応の判断基準

 急速に進行する神経症状や頭蓋内圧亢進症(頭痛,嘔吐,うっ血乳頭)は,生命の危機に直結するサインであるため,迅速かつ的確に診断し,専門医に紹介する。

【1】頭蓋内圧亢進が疑われた場合:頭部CT・MRIで確認後,高浸透圧利尿薬や副腎皮質ステロイドを投与し,頭蓋内圧を低下させる。

【2】髄液路の狭窄により閉塞性水頭症をきたしている場合:脳室ドレナージや腫瘍摘出術などの緊急手術が必要となる。

【3】悪性リンパ腫が疑われる場合:副腎皮質ステロイド投与が腫瘍を一時的に消失させることにより診断確定を妨げるおそれがあるため,可能な限り専門施設での腫瘍生検を優先する。

症候の診かた

【1】巣症状:腫瘍の局在

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