診断のポイント
【1】進行性の脊髄神経症状を呈する場合,脊髄腫瘍の可能性を念頭におく。
【2】脊髄腫瘍における神経症状の進行は数か月,時に数年にわたる。ただし,転移性腫瘍では,急速に症状が進行する場合がある。
【3】脊髄神経症状により病巣の高位・横断面診断を行い,脊髄MRIによる診断確定を期す。
緊急対応の判断基準
【1】脊髄腫瘍を疑った場合は,脊髄外科専門の医師がいる施設への紹介を検討するべきである。
【2】脊髄腫瘍手術後の神経症状の回復は,手術前の神経症状が軽度であるほど良好である。よって可及的早期に専門医紹介の手続きをとるべきである。
【3】歩行障害や膀胱直腸障害を認める場合,疼痛が強い場合,さらに高位頸髄病変により呼吸障害を呈する場合は緊急の対応が必要である。
症候の診かた
症候のみから脊髄腫瘍と他の脊椎脊髄疾患を鑑別することは困難である。ただし,脊髄腫瘍による症候は以下の特徴を有するとされる。
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