診断のポイント
【1】特徴的な運動症状(舞踏病,ジストニアなど),精神症状,認知機能障害を呈する。
【2】常染色体優性遺伝形式の家族歴をもつ。
【3】確定診断は遺伝子診断(第4染色体短腕4p16.3のHTT遺伝子のCAGリピート異常伸長)。
緊急対応の判断基準
【1】進行期まで生命にかかわる緊急事態は生じない。
【2】進行すると嚥下障害や意識障害を生じることから,低栄養や誤嚥性肺炎に伴う全身状態不良となることがあり,対応が必要になる。
症候の診かた
【1】疫学と好発年齢
❶発症年齢は若年者から高齢まで重症度によりさまざまだが,30~40歳台が好発年齢である。
❷約10%は20歳以下で発症する若年型Huntington病(HD)で,特に知的障害が著しい。
【2】初発症状:功緻運動障害や性格変化など一見わかりにくい場合が多い。
【3】運動症状:多彩な不随意運動,特に顔面のチックや舞踏病,ジストニア,ミオクローヌスなど