診断のポイント
【1】ポリポーシス以外の単発病変では,大きくなり出血・腸重積・狭窄などを生じない限り,臨床症状や一般検査所見に異常は認めない。
【2】注腸X線造影では円形接線像,透亮像,陰影欠損を呈する。
【3】内視鏡所見は局所的隆起病変であるが,その表面性状やpit patternは診断上重要である。
症候の診かた
【1】多くは無症状である。
【2】便潜血反応陽性になることもある。大きくなると,血便・腸重積による腹痛を伴うこともある。
【3】Peutz-Jeghers症候群:小腸ポリープを先進部とした腸重積が発生しやすい。
【4】若年性ポリープ:誘因なく顕血便を呈すことがある。
【5】Cronkhite-Canada症候群:下痢・低蛋白血症を伴うことがある。
【6】ポリポーシスの大腸外病変(表1図):特異的な身体所見として,デスモイド腫瘍,骨腫(家族性大腸腺腫症),口唇・口腔粘膜の色素沈着(Peutz-Je