診断のポイント
【1】3主徴:心症状,全身症状,塞栓症状。
【2】経胸壁心エコー図でmass様エコーを確認する。
【3】血栓との鑑別が必要。しばしば臨床経過から判断される。
【4】CT,MRIでさらに精査する。
【5】組織診断のために,経食道心エコーガイドでの腫瘍生検が有用な場合がある。
緊急対応の判断基準
呼吸困難などの心不全症状がある場合,腫瘍の可動性が高い場合はイベントリスクが高い。特に左房粘液腫は,脳梗塞などの塞栓症を生じやすく突然死の危険性もあるため,すみやかな専門の医療機関への移送が必要である。
症候の診かた
【1】無症状で経過し,画像検査で偶然に発見されることも多い。3主徴として,心症状,全身症状,塞栓症状がある。左房内腫瘍の場合はⅠ音亢進,拡張早期雑音(tumor plop sound)を聴取し,体位によって変化を認める。
【2】心症状:多くは呼吸困難,胸痛,失神など非特異的なものである。
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