診療支援
診断

自己免疫性溶血性貧血
††
Autoimmune Hemolytic Anemia (AIHA)
亀崎 豊実
(自治医科大学教授・地域医療支援部門)

診断のポイント

【1】溶血性貧血を認める。

【2】直接Coombs試験が陽性である。

【3】不適合輸血や薬剤性免疫性溶血が除外できる。

【4】診断基準を表1(溶血性貧血),表2(AIHA)に示す。

緊急対応の判断基準

 貧血の原因が不明なときは専門医に相談を行う。AIHAでは輸血が症状を増悪させるため,貧血の原因が不明なまま対症的に輸血を行うのは避ける。

症候の診かた

【1】貧血所見:易疲労感,動悸,頻脈,息切れなど。急激発症のタイプでは発熱,全身衰弱を伴う。

【2】黄疸所見:皮膚・眼球結膜の黄染を認める。

【3】脾腫:温式AIHAの3~4割に軽度の脾腫を認める。

【4】寒冷との関係:寒冷凝集素症では寒冷曝露によってチアノーゼ,Raynaud症状,皮膚網状疹などを認める。

検査所見とその読みかた

【1】末梢血検査:貧血は大球性を示すことが多い。網赤血球は著明に上昇しており,鏡検上,多染性の大赤血球として認められ

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