診断のポイント
【1】アミロイドーシスは,アミロイドが沈着した臓器障害で顕症化するが特徴的な症状に乏しい。鑑別診断の1つとして疑って生検して診断に至る場合と,生検された標本で偶発的に診断される場合がある。
【2】アミロイドーシスの診断の決め手は組織のコンゴーレッド染色で,次に免疫組織化学で病型診断という流れになる。
【3】全身性アミロイドーシスの病型には,表1図に挙げたものがある。臨床的な特徴から病型を類推することは比較的容易であるが,確定診断のためには,病理学的,生化学的検討が必要となる。
症候の診かた
【1】ALアミロイドーシス
❶基礎疾患のない原発性のものと,多発性骨髄腫を含むB細胞腫瘍に合併するものがあり,前者がしばしば診断に難渋する。
❷初期症状は全身倦怠感,体重減少,浮腫,貧血などの非特異的なもので,経過中にうっ血性心不全,蛋白尿,吸収不良症候群,末梢神経障害,起立性低血圧,手根管症候群,肝腫大,巨舌,皮下出血などを呈する。
【2】AAアミロイドーシス
❶慢性炎症性疾患に合併する。原疾患として関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)が最も多いが,抗炎症療法の進歩により,新規診断例はかなり減少している。
❷初発症状は消化器症状が多く,下痢や腹部膨満,食欲低下がみられる。腎症は軽微なものからネフローゼ症候群をきたすものまで多岐にわたる。甲状腺機能低下症がみられることもある。
【3】ATTR〔トランスサイレチン(TTR)型アミロイドーシス〕(遺伝性):「アミロイドニューロパチー」項(→)を参照。
【4】ATTR(非遺伝性高齢発症):老人性全身性アミロイドーシス(senile systemic amyloidosis:SSA)とよばれ,60歳以上で,原因不明の心不全症状を呈したら鑑別の1つとなる。手根管症候群を呈することもある。
【5】Aβ2m:長期透析患者に合併する。手根
関連リンク
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