診療支援
診断

成人の百日咳
Pertussis in Adults
宮下 修行
(関西医科大学教授・呼吸器感染症・アレルギー科)

診断のポイント

【1】1週間以上の咳嗽があり,百日咳に特徴的な以下の4つの咳嗽症状のうち,1つ以上伴う場合を臨床的百日咳としている(表1)。

❶吸気性笛声。

❷発作性の連続性の咳込み。

❸咳嗽後の嘔吐。

❹チアノーゼの有無は問わない無呼吸発作。

症候の診かた

【1】典型例は感染後1~2週間の潜伏期後にカタル期(1~2週間),痙咳期(4~8週間),回復期(1~2週間)の経過をたどる。

【2】カタル期は感冒様症状を呈し,通常の感冒と鑑別ができないが,痙咳期になると百日咳に特徴的なスタカート(staccato)とよばれる発作性,連続性の咳嗽と,咳嗽の合間に吸気時の笛声音(whoop)を認め,これが繰り返される(レプリーゼ;reprise)。

【3】成人例では発作性の咳嗽は高頻度にみられるが,whooping coughの頻度は少ない。

【4】咳嗽は夜間に強く,嘔吐を伴うこともある。

検査所見とその読みかた

【1】小児

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