診療支援
診断

緑膿菌感染症(多剤耐性菌を含む)
Pseudomonas aeruginosa Infections (Including Multidrug-Resistant P. aeruginosa)
栁原 克紀
(長崎大学大学院教授・病態解析・診断学分野)

診断のポイント

【1】細菌学的検査を実施して,緑膿菌を検出することで診断される。

【2】日和見感染症の原因菌であり,健常者に感染することはまれである。

【3】多くの病原因子を有しており,全身性あるいは局所の免疫が低下した患者には重篤な感染症を惹き起こす。

【4】尿道カテーテル,気管内チューブ,中心静脈カテーテルなどが留置されていることは危険因子となる。

【5】急性の経過をとる場合と慢性の経過をとる場合がある。慢性感染症の場合は,緑膿菌が分離されても感染か定着かを見極める必要がある。

緊急対応の判断基準

【1】敗血症性ショックや重症肺炎などをきたした場合。

【2】多くの薬剤に耐性となり,通常の抗菌薬では治療が困難と判断された場合。

症候の診かた

【1】菌血症・敗血症,肺炎などの呼吸器感染症,尿路感染症,胆道感染症ならびに皮膚軟部組織感染症の原因菌となる。

【2】急性感染症の場合は,発熱などの感染徴候は顕著であるが

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