診断のポイント
診断基準を表1図に示す。
【1】女性:75%が女性である。
【2】不安定で激しい対人関係。
【3】長期にわたり持続する,感情の不安定さ。
【4】反復する自傷行為,自殺企図。
【5】小児期の外傷的な生活歴。
症候の診かた
【1】症状の浮動性
❶不安,恐怖,抑うつ,強迫などさまざまな症状がつぎつぎと表れ変転する。そのため,主たる症状が何かを定めにくい。
❷薬物療法への反応性は低いか,ある程度効果が認められてもその効果は一時的で持続しない。
【2】見捨てられる恐怖
❶他者との別離や拒絶に対して過敏であり,強い恐怖や怒りを示す。
❷そのため,なりふりかまわない手段で別離や拒絶を阻止しようとする。
【3】対人距離の極端な揺れ動き
❶極端に警戒した態度をとっているかと思うと,いきなり相手を理想化して急速に接近してきたりする。
❷しかし,ささいなことで欲求が満たされないと感じた途端,激高し辛辣な嫌味をいうなどの攻撃に