診断のポイント
【1】緩徐進行性の近時記憶障害がみられる。
【2】記憶障害と記憶以外の認知機能障害(失語,失行,失認,遂行機能障害など)により,日常生活や仕事に支障をきたしている。
【3】MRIで側頭葉内側領域の萎縮がみられる。
【4】SPECTで後部帯状回の血流低下がみられる。
【5】脳血管障害,ほかの神経疾患や精神疾患,物質(薬物)の影響などで説明できない。
症候の診かた
【1】初発症状は,最近の出来事が思い出せない,新しいことが学習できないという近時記憶の障害が圧倒的に多い。
【2】いつとはなし(潜在性)に発症し,緩徐に進行する。
【3】目立たない症状ではあるが,初期から意欲の低下(アパシー)や段取りの悪さ(遂行機能障害)がみられ,うつ状態を伴うこともある。比較的初期から物盗られ妄想を伴うことがある。
【4】認知機能障害や精神症状以外の局所神経症候は進行期までみられない。
【5】日常生活上の認知機能障害や
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