診断のポイント
【1】局所的な熱感や発赤,腫脹,疼痛。
【2】乳幼児での症状は,不機嫌,活動性の低下,患肢の不動,食欲低下,全身性発熱。
【3】開放性骨折の治療後や骨・関節手術後にも発生(図1図)。
【4】血液検査では,白血球増多,CRP高値,赤沈の亢進。
【5】X線写真,MRI,CTなどで骨破壊像があれば,穿刺を行い,起炎菌を同定。
緊急対応の判断基準
【1】乳幼児,糖尿病,免疫抑制薬使用者,透析患者,超高齢者などの易感染性宿主に発生した骨髄炎に対して,対応が遅れると敗血症性ショックをきたし生命予後にかかわる。
【2】敗血症の徴候がある場合は,厳重な全身管理の下,早急な外科的処置を検討する。四肢であれば,切断術,離断術を要することもある。
症候の診かた
【1】局所の観察が重要。発症初期には,局所の熱感や疼痛・圧痛だけのことが多い。乳幼児では,不機嫌,活動性の低下,患肢を動かさない,食欲低下などの非特異的な症状のこともある。
【2】病状が進行すると軟部組織膿瘍を形成し,発赤を伴う腫脹が著明となる。時に瘻孔からの排膿を認めるようになる。
【3】弱毒菌感染では典型的な感染徴候を伴わないこともある。
検査所見とその読みかた
【1】血液検査:スクリーニング検査としてまず行う。白血球増多,CRP高値,赤沈の亢進を認めることが多い。プロカルシトニンは高値を示す。
【2】X線写真:発症直後には所見を認めない。発症後10日以上たってから骨溶解,骨破壊,骨膜反応が判読可能となる(図2図)。
【3】MRI:早期に骨髄内や骨膜下の病変の進展を描出できる。
【4】CT:X線写真より早期に骨溶解,骨破壊を描出できる。慢性化した病巣では腐骨が確認できる。
【5】骨シンチグラフィ:骨髄炎の早期から病巣部に集積像を示すが,疾患特異性はない。
【6】起炎菌の同定:必須の検査である。
❶腫脹や圧痛などの局所所見の強い部位から,16~18G針でX線透
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