診断のポイント
【1】多くは高齢者。
【2】腫瘍による好発部位の差。
【3】斑,局面,結節・腫瘤,潰瘍。
【4】ダーモスコピーによる疾患の絞り込み。
【5】皮膚生検による確定診断。
症候の診かた
【1】上皮内有棘細胞癌(日光角化症・Bowen病)
❶角化性の紅斑や褐色小局面を呈し,種々の程度にびらん,潰瘍を伴う。
❷日光角化症は露光部にのみ生じる。
【2】(浸潤性)有棘細胞癌(図1図)
❶種々の程度にびらん,潰瘍を伴う結節・腫瘤,隆起性局面,疣状外観を呈する。
❷周囲にしばしば日光角化症・Bowen病を思わせる病変を伴う。
【3】基底細胞癌(図2図)
❶黒~黒褐色(時に常色)の結節・腫瘤,蚕蝕性潰瘍,モルフェア様局面,斑など多彩な像を呈する。
❷顔面に好発する。
【4】乳房外Paget病(図3図)
❶種々の程度にびらんを伴う紅斑,褐色斑を呈し,進行すると腫瘤状に隆起してくる。
❷外陰部に好発し,そのほか腋窩・肛囲にも生じる。