診断のポイント(表1図)
【1】ドックや検診における腹部超音波検査などで偶然発見されることが多い。画像診断では判別が困難であることもある。
【2】臨床において,頻度として高いものとしては血管筋脂肪腫(angiomyolipoma:AML)とオンコサイトーマ(oncocytoma)が挙げられる。
【3】AML
❶散発性は40~50歳の女性に好発する。多くは単発性である。
❷結節性硬化症(tuberous sclerosis complex:TSC)の患者では80%でAMLが発生し,散発性より若年者(30歳台)に発生する。
【4】オンコサイトーマ
❶60~70歳に多く,やや男性に多い。
❷組織学的にはミトコンドリアを多く含む好酸性の細胞からなる(図1図)。
❸一方,嫌色素型腎細胞癌との合併の報告もあるため,注意が必要である。
症候の診かた
【1】無症状であることが多いが,腹部の圧迫症状を認めることがある。
【2】巨大