診療支援
診断

過活動膀胱
Overactive Bladder (OAB)
巴 ひかる
(東京女子医科大学東医療センター骨盤底機能再建診療部 泌尿器科・教授)

診断のポイント

【1】尿意切迫感。

【2】頻尿。

【3】夜間頻尿。

【4】切迫性尿失禁。

【5】多くは40歳以上。

症候の診かた

【1】尿意切迫感の聴取が鍵。

【2】尿意切迫感と同時あるいは直後に切迫性尿失禁を伴うことがある。

【3】尿路悪性腫瘍,尿路感染症,子宮内膜症などの膀胱周囲の異常などによって尿意切迫感が起きている症例を鑑別する。

【4】多飲多尿による頻尿,夜間多尿による夜間頻尿,心因性頻尿との鑑別や,利尿薬など内服薬の確認も重要である。

検査所見とその読みかた

 尿意切迫感を必須症状とする症状症候群なので,自覚症状の評価が重要である。

【1】尿検査

❶血尿があれば尿路上皮腫瘍の鑑別が必要となるので,専門医による診察が必要である。

❷膿尿があれば尿路感染症や尿路結石の鑑別が必要となる。標準的な抗菌薬で改善が認められない場合は,専門医による診察が必要である。

【2】残尿測定:残尿量100mL(高齢者では50mL)以

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?