診断のポイント
【1】尿意切迫感。
【2】頻尿。
【3】夜間頻尿。
【4】切迫性尿失禁。
【5】多くは40歳以上。
症候の診かた
【1】尿意切迫感の聴取が鍵。
【2】尿意切迫感と同時あるいは直後に切迫性尿失禁を伴うことがある。
【3】尿路悪性腫瘍,尿路感染症,子宮内膜症などの膀胱周囲の異常などによって尿意切迫感が起きている症例を鑑別する。
【4】多飲多尿による頻尿,夜間多尿による夜間頻尿,心因性頻尿との鑑別や,利尿薬など内服薬の確認も重要である。
検査所見とその読みかた
尿意切迫感を必須症状とする症状症候群なので,自覚症状の評価が重要である。
【1】尿検査
❶血尿があれば尿路上皮腫瘍の鑑別が必要となるので,専門医による診察が必要である。
❷膿尿があれば尿路感染症や尿路結石の鑑別が必要となる。標準的な抗菌薬で改善が認められない場合は,専門医による診察が必要である。
【2】残尿測定:残尿量100mL(高齢者では50mL)以上では排尿筋収縮障害が共存している可能性があり,専門医の診察が必要である。
【3】尿流測定:残尿測定と同時に行うと,膀胱出口部閉塞や排尿筋収縮障害による排尿障害のスクリーニングが可能である。
確定診断の決め手
尿意切迫感を正しく聴取し,鑑別診断をすることが重要である。
誤診しやすい疾患との鑑別ポイント
【1】多尿による頻尿
❶排尿日誌で尿量や飲水量を確認する。
❷24時間尿量が40mL/体重kgより多ければ多尿である。
❸主な原因として水分摂取過剰,糖尿病(→),腎機能障害,尿崩症(→)などがある。
【2】夜間多尿による夜間頻尿
❶夜間多尿指数(夜間尿量/24時間尿量)が若年者で0.2以上,高齢者で0.33以上であれば夜間多尿である。
❷主な原因として高血圧,うっ血性心不全(→),睡眠時無呼吸症候群(→)などがある。
【3】心因性頻尿
❶排尿日誌で1回排尿量を確認する。
❷日中に比し,夜間や起床時の1回排尿量が極端
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