診断のポイント
【1】年長児は成人と同様に,片麻痺,意識障害での発症が多いが,新生児,乳児ではけいれん,無呼吸,哺乳力低下などの非特異的症状の発症がまれでない。
【2】疑ったら画像検査を実施し,梗塞はもやもや病,出血なら動静脈奇形をまず鑑別。
【3】反復する一過性神経学的巣症状ではもやもや病を念頭に。
【4】小児の脳血管障害はまれだが,その原因は多彩([さらに知っておくと役立つこと]参照)。原因に応じて合併症,予後もさまざまなため幅広い原因検索が不可欠。
緊急対応の判断基準
【1】診断は頭部画像検査(CT,MRI)に依存するため,脳血管障害を疑った時点で撮影可能な施設への転送が必要である。
【2】乳幼児では鎮静を要するため,小児の鎮静に精通している施設への転送が望ましい。
症候の診かた
【1】指示に従えない乳幼児の場合,自発運動,疼痛刺激や姿勢変換に対する反応から神経学的症状を判断する。
【2】啼泣時には,啼