診断のポイント
表1図,表2図,表3図,表4図に診断基準と分類を示した。
以下の場合に白血病を疑い,骨髄検査を実施する。
【1】血液検査で,芽球の出現を伴う白血球増多,または,白血球数の如何にかかわらず,芽球の出現を伴う貧血,血小板減少を認める場合。
【2】血液検査で,芽球の出現はないものの,網状赤血球の増加を認めない正球性貧血,および/または,血小板減少を認める場合,多くは乳酸脱水素酵素(LDH)の上昇を認める。
【3】繰り返す感染症または原因不明による長引く発熱,時に,骨痛や関節痛を伴う。
【4】リンパ節腫大,肝腫大,または,脾腫大を伴う発熱や出血傾向(点状出血,紫斑,口腔内・鼻出血など)。
緊急対応の判断基準
【1】小児の白血病が疑われたら,直ちに小児血液・がん専門医が常勤する小児がん診療施設に紹介する。
【2】血小板数20,000/μL未満で粘膜出血を認める場合や感染を伴う場合は緊急に血小板輸注を要するため,血液製剤の確保や搬送時期について小児血液・がん専門医と密に連携して対処する。
症候の診かた
【1】正常造血低下による症状・徴候:顔色不良,全身倦怠感,出血症状,発熱。
【2】白血病細胞の増殖による症状・徴候:関節痛,骨痛,リンパ節腫大,肝腫大,脾腫大。
【3】髄外浸潤による症状・徴候(まれ):中枢神経系(CNS)浸潤による頭痛,嘔吐,顔面神経麻痺など脳神経麻痺,脊髄圧迫による下肢麻痺,呼吸困難や顔面腫脹(縦隔腫瘤による),皮疹(皮膚浸潤による),精巣腫大,歯肉腫脹。
検査所見とその読みかた
【1】血算
❶正球性貧血,白血球増多または減少(芽球を認めないことも少なくない),血小板減少を認める。いずれか1つまたは2つのみが異常の場合も少なくない。
❷急性リンパ芽球性白血病(acute lymphoblastic leukemia:ALL)では,すべて正常値を示す場合もある。
【2】生化学検査
❶L
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