診療支援
診断

小児の気管支喘息
Childhood Asthma
荒川 浩一
(群馬大学大学院教授・小児科学分野)

診断のポイント

【1】反復する典型的な喘息症状。

【2】アレルギー疾患の既往歴・家族歴。

【3】運動や冷気,煙の刺激で咳嗽・喘鳴出現。

【4】β2刺激薬吸入による症状改善。

緊急対応の判断基準

【1】大発作・呼吸不全では,血液ガス分析および胸部X線による合併症(皮下気腫,縦隔気腫,気胸,無気肺,肺炎など)の検索を行う。

【2】呼吸不全状態(傾眠~昏睡,十分な酸素投与下でPaO2<60mmHg,PaCO2≧65mmHgなど)ではICU管理が望ましいため高次医療機関に搬送する。

【3】意識障害を認める場合は人工呼吸管理を検討する。

症候の診かた

【1】喘鳴:高音性喘鳴(wheezes)が特徴的。大発作・呼吸不全では減少または消失する。

【2】呼吸困難:乳幼児や重症心身障がい児においては,不快感あるいは苦痛を推測させる他覚所見を含める。呼気性が主体であるが,症状が進むと吸気性呼吸困難も認める。起坐呼吸,話しかたなどの

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