診断のポイント
【1】爪甲周囲の皮膚や爪郭軟部組織の細菌感染症。
【2】爪囲の発赤,腫脹,疼痛。
【3】急激に発症する。
症候の診かた
【1】爪囲の発赤,腫脹:軽症例では爪囲の一部にとどまるが,重症例では爪囲がびまん性に発赤,腫脹する(図1図,図2図,図3図)。
【2】疼痛:拍動性の強い疼痛。
【3】膿瘍:時に膿瘍を伴う。
検査所見とその読みかた
【1】血液検査:白血球数増加,CRP上昇,赤沈亢進などの炎症反応がみられる。
【2】膿からの細菌培養検査:主に黄色ブドウ球菌が検出される。緑膿菌やレンサ球菌が検出されることもある。
確定診断の決め手
爪囲の感染徴候から診断は容易である。
誤診しやすい疾患との鑑別ポイント
【1】ヘルペス性瘭疽:単純ヘルペスウイルス(HSV)の初感染,再発,再感染によって生じる。
❶発赤,腫脹,疼痛,時に生じる膿瘍は瘭疽と類似する。小水疱の集簇(=疱疹,ヘルペス)が鑑別点となる。
❷水疱からのT