診療支援
治療

気分変調症
dysthymia
上瀬大樹
(神経研究所附属晴和病院)
松浪克文
(公立学校共済組合関東中央病院メンタルヘルスセンター・センター長)

◆疾患概念

【定義・病型】

 「気分変調症」の基本特徴は,ほとんど一日中の慢性的抑うつ気分が少なくとも2年間存在し,それのない日よりもある日のほうが多いことである.小児や青年では抑うつ気分よりもいらいら感である場合があり,確定診断に必要とされる期間は1年間である.上記の期間中,抑うつ気分以外に,①食欲不振または過食,②不眠または過眠,③気力低下または過労,④自己評価の低さ,⑤集中困難または決断困難,⑥絶望感のうち少なくとも2つの症状が存在しなければならない.さらに,この障害の期間中に症状のない期間が2か月以上続かないことが診断の要件となっている.DSM-Ⅳでは,この障害の最初の2年間(小児や青年では1年間)に大うつ病エピソードが存在しないことが診断の要件となっていたが,DSM-5ではこの項目がなくなり,DSM-Ⅳにおける慢性の大うつ病性障害と気分変調性障害の両者を含む概念となった.

【疾患概念成

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