◆疾患概念
【定義・病型】
頭痛の分類として現在広く普及しているのは,国際頭痛学会によるもので,『The International Classification of Headache Disorders, 3rd edition(beta version)』(国際頭痛分類第3版beta版,ICHD-3β)が,2013年に公開され,日本語版が2014年に刊行された.ICHD-3βは,基本的にICHD-Ⅱの分類を踏襲する形で,頭痛を一次性頭痛(ICHD-Ⅰの機能性頭痛),二次性頭痛(ICHD-Ⅰの症候性頭痛),有痛性脳神経ニューロパチー,他の顔面痛およびその他の頭痛の3つに大きく分類し,さらに14のグループ分類が存在する.一次性頭痛は頭痛の原因となる基礎疾患が存在しないものであり,片頭痛,緊張型頭痛,三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)(ICHD-Ⅱでは,「群発頭痛およびその他の三叉神経・自律神経性頭痛」と記載されていた)などが含まれる.これらのなかでも特に頻度の高い,緊張型頭痛や片頭痛は代表的な心身症と考えられている.緊張型頭痛はその頻度からさらに稀発反復性,頻発反復性,慢性の3つに分類されている(表1)図.片頭痛は6つのサブタイプに分類されているが,ICHD-Ⅱからの変更点として,ICHD-3βでは,慢性片頭痛がサブフォームからサブタイプに掲載され,「前兆のない片頭痛」や「前兆のある片頭痛」と同レベルの頭痛カテゴリーとして扱われている.さらに,前兆のある片頭痛は4つのサブフォームに分類されているが,「典型的前兆を伴う片頭痛」が代表的である(表2)図.
【病態・病因】
緊張型頭痛の病態生理はいまだ明らかにはなっていないが,緊張型頭痛患者において頭蓋周囲筋の圧痛が健常者よりも頻度が高いことなどから末梢性のメカニズムの関与が考えられる一方で,慢性緊張型頭痛の患者において疼痛閾値が
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