A.新生児の体温調節の特徴
新生児は環境温の影響を受けやすく,容易に低体温や高体温が引き起こされる.
体表面から環境への熱喪失には,伝導,対流,輻射,蒸散の4つの経路がある.伝導は皮膚に接しているものへの熱喪失である.対流は皮膚の周りの空気の流れによる熱喪失である.輻射は皮膚に直に接していない環境物との熱交換による熱喪失である.蒸散は皮膚表面からの不感蒸泄による熱喪失である.
体温維持のためのエネルギー消費が最小となる温度環境を,中性温度環境とよぶ.中性温度環境は出生体重や日齢によって異なっている.
B.新生児の体温管理の実際
1.出生時の体温管理
児は出生すると胎内よりも大幅に低い環境温度にさらされる.熱喪失を防ぐために分娩室の室温は重要である.分娩室の室温は最低25℃以上とし,出生する児の在胎週数に応じてさらに高くするのが望ましい.出生後すぐに温めたタオルやガーゼで羊水を拭いとる.帝王切開