診療支援
治療

新生児遷延性肺高血圧症
persistent pulmonary hypertension of the newborn(PPHN)
増本健一
(東京女子医科大学母子総合医療センター新生児医学科・講師)

●病態

・さまざまな要因により出生後に肺血管抵抗が低下せず,胎児期の肺高血圧状態が続くことで卵円孔または動脈管を介して右左短絡を呈し,重篤な低酸素血症をきたす.

・発症率は1,000出生に対し1.9人と推定されており,多くは正期産児もしくは過期産児に生じる.

・100%酸素吸入と適切な人工呼吸管理が行われても低酸素血症が持続し,動脈管レベルでの右左短絡があり酸素飽和度の上下肢差を認める場合に本症を疑う.

・心エコー検査で先天性心疾患がなく,高度の肺高血圧の所見(卵円孔や動脈管レベルでの右左短絡など)を認める.

・肺実質疾患や肺血管床減少などで肺血管抵抗が下がらず肺動脈圧の絶対値が高い型(胎便吸引症候群,呼吸窮迫症候群,横隔膜ヘルニアなど)と,循環不全による体血圧低下で相対的に肺動脈圧が高い型(新生児仮死,敗血症,一過性心筋虚血など)がある.

・母体の薬物服用(非ステロイド性抗炎症薬,セロトニン再取り込

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