治療のポイント
・発症時期と吐物の性状,下血・腹部膨満・腹水などの随伴する症状の有無により,疑うべき疾患が異なる.
・鑑別すべき疾患のなかには,治療の緊急度が高い外科的疾患も含まれるため,全身状態と腹部膨満の程度,吐血・血便といった随伴症状の有無などのすみやかな評価が重要である.
・初期対応・管理としては,外科的疾患では消化管の減圧と輸液管理を行う.
・内科的疾患では,感染症を疑う場合は培養提出後のすみやかな抗菌薬全身投与,新生児・乳児消化管アレルギーを疑う場合は母乳栄養あるいは加水分解乳の使用,代謝内分泌疾患が疑われる場合は緊急でマススクリーニングを提出し,専門機関にコンサルトのうえ確定診断を急ぐ必要がある.
●病態
・嘔吐は,新生児では比較的よくみられる症状の1つである(表1図).健常な新生児でもしばしば認められる.
・病的嘔吐の原因診断のためには,病歴や症状の観察が重要である.
a)妊娠分娩経過〔