●病態
・新生児貧血の主な原因は,失血または出血や溶血によるもの,造血機能の低下によるものである.出生時の失血(出血)の主な原因として,常位胎盤早期剥離や胎児-母体間輸血などの産科的合併症や帽状腱膜下血腫,頭蓋内出血などの分娩外傷によるものが多く,ショック症状を呈する.
・慢性的な失血の原因としては,NICU入院児などにおける頻回の採血によることが多い.溶血による貧血では,貧血よりも早発性黄疸として発症するものが多く,黄疸に対する治療が主体となる.
・造血機能低下は,いわゆる新生児の生理的貧血の原因で,造血機能が不十分なために起こる.早産であればあるほど顕著にみられ,特に採血の頻度が高い早産児では貧血の程度が高くなる.
●治療方針
出生時の貧血などの急性の貧血に対しては,基本的にショックに対する治療を含めた原疾患の治療とともに輸血が主体となる.早産児の慢性期における未熟児貧血に対しては,輸血,遺伝
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