●病態
・主に出生体重1,500g未満の早産児が罹患する骨減少症で,カルシウムやリン,ビタミンD不足が原因となる.
・胎生期に母体から十分なCa,Pが移行することなく出生し,生後もそれを代償するだけのミネラルやビタミンDが投与されないことが発症につながり,以下にあてはまる場合はよりリスクが高まる.
a)長期の経静脈栄養(4週間以上)
b)150mL/kg/日未満の水分制限
c)ステロイドの長期投与
d)利尿薬投与
e)母乳強化剤や低出生体重児用ミルクの不耐
※出生体重が少ないほどリスクが高い.
・診断はX線画像で骨にくる病所見を認めることでなされる(尺骨端のcuppingや毛羽立ち,重症例では骨折).
・ALP高値は診断根拠にはならないが,参考所見として広く用いられている.
A.管理方法
・出生体重1,500g未満の児,その他リスク児では血液検査(ALP,Ca,P),尿検査〔リン尿細管再吸収率(%TRP),尿中Ca/Cre〕,手関節のX線画像を定期的にフォローする.単一の指標では評価できないため,各値から総合的に評価する.
1.カルシウム
・生命維持に不可欠のため,カルシウム不足があっても骨から動員して維持される.そのため血清値はあてになりにくく,カルシウム不足の指標は実質ない.副甲状腺ホルモン上昇が参考になる.
・尿中カルシウム排泄が高い(尿中Ca/Creが0.7以上)場合はカルシウムやビタミンDの絶対的過剰だけでなく,リン不足による相対的カルシウム過剰のこともあるため,全体的な投与量とカルシウムとリンの比率を考慮する.
2.リン
・血清リン値4mg/dL未満は明らかに低いとされるが,実際は5mg/dL以上あたりが目標とされることが多い.
・尿中リン排泄がほとんどない状態はリン不足と考えるが,%TRPの至適範囲ははっきりしていない.
3.ビタミンD
・国際的にはnativeのビタミンDが使用されてい
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