診療支援
治療

フェニルケトン尿症(マターナルPKUを含む)
phenylketonuria(PKU,including maternal PKU)
新宅治夫
(大阪市立大学大学院障がい医学・再生医学・特任教授)

●病態

・フェニルケトン尿症(PKU)は,フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)をコードする遺伝子の変異により,高フェニルアラニン(Phe)血症(血中Phe値≧2mg/dL)を発症する遺伝性の代謝異常症である.

・無治療の場合,高Phe血症による精神発達遅滞やけいれんを発症し,チロシンの低下による赤毛,色白など色素異常を呈する.

●治療方針

 食事からのPheを制限するために低蛋白食療法を行い,不足するアミノ酸を治療粉乳あるいはPhe無添加総合アミノ酸粉末(A-1,雪印)を用いる.2014年に米国の科学レビュー会議から発表された血中Phe値〔妊婦を含む全年齢で血中Phe濃度が2~6mg/dL(120~360μmol/L)〕を治療指針に治療を行う.

 BH4反応性高Phe血症ではビオプテン顆粒(補酵素BH4)の内服により食事治療を軽減,あるいは中止することができる.血中Phe値のコントロールは生涯続ける

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?