●病態
・分枝鎖ケト酸脱水素酵素の異常により,分枝鎖アミノ酸(BCAA)であるバリン,ロイシン,イソロイシン由来の分枝鎖ケト酸(BCKA)の代謝が障害される.
・古典型では生後1週間程度で嘔吐,けいれん,昏睡などの症状をきたす.間欠型や中間型では新生児期には無症状であり,感染などをきっかけとして嘔吐や昏睡,発達の遅れなどを認める.
・チアミン反応型では,チアミン投与により分枝鎖アミノ酸は低下し,臨床症状が改善する.
●治療方針
治療の目標は,急性増悪の発症を防止しながら十分な発育,発達を得ることである.
A.急性期の治療方針
重篤な代謝発作として直ちに各種バイタルサインの安定化をはかる.気管挿管と人工換気,末梢静脈ルートの確保,昇圧薬の投与などの処置をICU管理下で行うのが望ましい.ブドウ糖輸液によるエネルギー補給を維持し,異化亢進の抑制をする.
重炭酸ナトリウム投与による補正が困難で,進行性の代謝