治療のポイント
・依然としてエビデンスが確立された治療法はなく,生化学的合理性に基づくものである.
・糖液の過剰投与はNADH過剰状態を引き起こすため,避けたほうがよい.
・補酵素欠損など遺伝子特異的な治療が1~2割存在するため,遺伝子検査まで行う必要がある.
・ビタミンカクテルはミトコンドリア障害が示唆される際は有効なこともあり,初期から投与するのが合理的である.
・「ミトコンドリア病診療マニュアル2017」「新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2019」内の代謝救急診療ガイドラインの項を参照されたい.
●病態
・ミトコンドリア病は「ミトコンドリア機能およびエネルギー(ATP)産生不全によってもたらされるさまざまな臨床的障害に対する総称」と定義できる.遺伝子異常に基づいて,各呼吸鎖複合体酵素の活性あるいは酸化的リン酸化反応が低下することによって,種々の臓器障害を引き起こす.
●治療方針
本
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