●病態
・ビタミンDは骨・カルシウム代謝において重要な栄養素の1つである.欠乏すると骨の石灰化障害や腸管でのカルシウムの吸収低下が起こる結果,それぞれくる病や低カルシウム血症を引き起こす.診断に関しては,「ビタミンD欠乏性くる病・低カルシウム血症の診断の手引き」(日本小児内分泌学会)を参照されたい.
・ビタミンDは体内で合成することができないため,食物由来のビタミンD2・ビタミンD3および紫外線によって皮膚で合成されるビタミンD3を利用している.いずれも肝臓と腎臓を経由し25位と1α位が水酸化されることによって活性型ビタミンDとなり,その作用を発揮する.
・リスク因子はビタミンDの摂取不足(完全母乳,アレルギーなどによる食事制限/偏食,日光曝露不足など)と吸収不良(胆汁うっ滞性疾患,慢性下痢など)に分けられる.また母体のビタミンD欠乏も新生児期・乳児期早期において重要なリスク因子であるため,合わ
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