診療支援
治療

Turner症候群
Turner syndrome
川井正信
(大阪母子医療センター消化器・内分泌科・副部長)

●病態

・Turner(ターナー)症候群(TS)は,1つのX染色体を完全に有しているが,もう一方のX染色体を全部あるいは部分的に欠失することに起因する染色体異常症である.染色体核型としては45,Xが代表的であるが,それ以外にもiso(Xq),Xp-,およびこれらを含む種々のモザイクなどを認める.

・低身長,原発性性腺機能低下症,特徴的奇形徴候(Turner徴候:翼状頸,外反肘,高口蓋,楯状胸など)が代表的な臨床症状である.

・診断の時期により契機となる臨床症状は異なる.新生児期には心疾患やリンパ管浮腫,幼児期から学童期には低身長,思春期には二次性徴の欠如や無月経を契機に診断されることが多い.

・成人期には性腺機能低下だけでなく,大動脈拡張/解離,肥満,糖尿病,高血圧,炎症性腸疾患,骨粗鬆症などを合併する場合がある.このときには多くの専門診療科に及ぶ管理が必要となる.

・最近ではTSを体質ととらえ,T

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