診療支援
治療

低リン血症性くる病
hypophosphatemic rickets
道上敏美
(大阪母子医療センター研究所骨発育疾患研究部門・部長)

●病態

・低リン血症性くる病とは慢性的な低リン血症を主因とする骨石灰化障害であり,以下のような疾患が含まれる.

 a)腸管におけるリン吸収不足

 ・リン摂取不足

 ・吸収障害

 b)腎臓からのリン喪失

 ・尿細管機能障害〔Fanconi(ファンコーニ)症候群など〕

 ・高カルシウム尿症を伴う遺伝性低リン血症性くる病

 ・FGF23関連低リン血症性くる病(X連鎖性低リン血症性くる病など)

・高カルシウム尿症を伴う遺伝性低リン血症性くる病は,Ⅱc型ナトリウム/リン酸共輸送担体の機能喪失変異による腎臓でのリン酸再吸収障害である.

・一方,FGF23関連低リン血症性くる病はFGF23の作用過剰に基づき,リン酸排泄増加による低リン血症に加えてビタミンDの活性化障害を認める.代表的なFGF23関連低リン血症性くる病であるX連鎖性低リン血症性くる病(XLH)は,PHEX遺伝子の機能喪失変異に基づく.よりまれな遺伝性低リン血

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?