診療支援
治療

ラテックスアレルギー
latex allergy
近藤康人
(藤田医科大学小児科・教授)

●病態

・天然ゴムを含む製品によって引き起こされる反応には,ラテックスアレルギー以外に,アレルギー性接触皮膚炎,刺激性接触皮膚炎があり頻度は圧倒的に後2者が高い.

・ラテックスアレルギーは,天然ゴムに含まれる蛋白質に特異的IgE抗体が産生されることで発症する即時型過敏反応で,アレルギー性接触皮膚炎(化学物質に対する遅延型アレルギー)や刺激性接触皮膚炎(免疫が関与しない,刺激による反応)よりも重篤な症状を呈する.

・通常,天然ゴム製品に曝露されてから数分以内にさまざまな症状を呈する.皮膚に限局した比較的穏やかな反応(瘙痒感や紅斑,蕁麻疹)から,鼻汁やくしゃみ,眼の刺激,喉のかゆみ,喘息様症状(呼吸困難,咳,喘鳴)といった重篤な反応を伴う場合もある.まれにアナフィラキシーショック(血圧低下,意識障害)に進展する場合もある.

・ラテックスアレルギーの国内での有症率は1%未満と考えられている.ハイリスクグ

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?