治療のポイント
・感冒様にみえるほかの重篤な疾患の除外診断が重要.
・感冒の自然経過を熟知して,不必要な投薬は行わない.
・保護者への啓蒙を含めた,疾患の説明を丁寧に行い,保護者の不安感を取り除くことが最も重要.
・急性中耳炎などの合併症の診断・治療を確実に行う.
●病態
・感冒は「かぜ症候群」とほぼ同様に扱われることが多いが,「小児呼吸器感染症診療ガイドライン2017」の定義では「鼻汁と鼻閉が主症状のウイルス性疾患で,筋肉痛などの全身症状がなく熱はないか,あっても軽度なものを指す(おおむね38.5℃未満).鼻炎といわれるが,より正確にはrhinosinusitis(鼻副鼻腔炎)である」とされている.
・原因ウイルスとしては,ライノウイルス,パラインフルエンザウイルス,RSウイルスなどが多い.近年,ヒトメタニューモウイルスやボカウイルスなども重要な原因ウイルスであることが認知されている.
・臨床症状として