●病態
・およそ90%は乳児期までに発症し,その多くは新生児期に発症する.病因は発生途中での腸管の回転と固定が完成しないことに由来する疾患の総称である.このため,その程度により多彩な症状を呈する.
・症状として中腸軸捻転によるものと,Ladd(ラッド)靭帯の圧迫による十二指腸閉塞に由来するものがある.新生児期に胆汁性嘔吐にて発症し,下血を認めた場合は中腸軸捻転を強く疑う.乳児期以降では捻転は少なく,繰り返す胆汁性嘔吐や腹痛を主訴に受診した場合は,本症を鑑別診断にあげる必要がある.
●治療方針
A.診断
上記症状にて本症を疑診し,腹部X線写真,超音波検査(US)を行う.上部・下部消化管造影にて確診を得る.USにて上腸間膜静脈(SMV)が上腸間膜動脈(SMA)の左側にある場合が疑わしい.またSMA本幹周囲にSMA,SMVが渦巻状にみえる所見(whirlpool sign)は,捻転の所見である.
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