診療支援
治療

膵外分泌不全症,慢性膵炎
exocrine pancreatic insufficiency,chronic pancreatitis
箕輪 圭
(順天堂大学小児科学)

●病態

・慢性膵炎とは,膵臓への持続的な炎症やその瘢痕により生じる膵実質細胞壊死,線維化をきたした病態で,多くは非可逆性・進行性である.代償期には反復性の心窩部・左季肋部痛などが主症状で,脂質の多量摂取などを契機として急性膵炎発作を呈する.

・慢性膵炎が進行する(非代償期)と膵外分泌機能不全を呈し,消化吸収障害による下痢や体重減少などの症状が出現する.外分泌機能は,BT-PABA試験(保険適用)や便中エラスターゼI測定により評価できる.

●治療方針

 慢性膵炎の治療について,代償期(膵炎発作の予防・治療,疼痛コントロール)と非代償期(膵外分泌不全症に対する膵酵素剤)に分けて述べる.

A.代償期(膵炎発作の予防・治療)

 栄養管理としては,膵外分泌機能を刺激しないよう脂質を制限し,1日4~5回少量ずつ摂取することが勧められる.栄養補助として脂肪含有量が少ない成分栄養剤を用いることもある.成長期の小児にお

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