●病態
・肺血流の急激な低下により,重篤な低酸素血症に陥る病態でありanoxic spell,hypercyanotic spellともいわれる.Fallot(ファロー)四徴症に代表される右室流出路狭窄を伴うチアノーゼ性心疾患の乳幼児にみられるが,最近では早期の外科的修復により観察する機会は減少している.
・6か月~2歳の乳幼児に多いが,早ければ3か月頃から生じる.早朝や入浴後に多く,誘因として啼泣,排便,麻酔などがあり,貧血があるとより発症しやすい.
・症状は不機嫌,チアノーゼ増強,苦悶様啼泣,多呼吸,不穏,呼吸困難などであり,軽症の場合には数分で回復するが,重症であると息止め,けいれん,意識消失などを起こし最悪死に至ることもある.
・右室流出路(漏斗部)の筋れん縮により肺血流が減少し低酸素が悪化すると考えられているが,漏斗部狭窄のない例でも生じることがあり,複合的な要因によるとされている.
・発
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