A.病態
学童・生徒の心疾患は,先天性心疾患,不整脈,心筋症,川崎病後,肺高血圧症などに大別される.そのうち治療・制限が不要なものが大半を占める.
心疾患の一部で,安静時および運動時における心不全・不整脈・チアノーゼ・肺高血圧の程度,および治療内容により生活や運動の制限が必要である.同じ病名でも重症度や運動による影響が個々に異なるため,個別の管理・指導が重要である.
その目的は心疾患の予後改善と,突然死を含む心事故の回避である.規則的な生活とバランスのよい食事を心がけ,必要な内服は確実に行う.以下は運動を中心に述べる.
B.運動管理方針
複雑心奇形,重篤な不整脈および不整脈基質(不整脈を起こしやすい体質),心筋症,肺高血圧症は,専門医のもとでの管理が望ましい.以下,一般的な運動管理の概要を示す.背景となる疾患・病態が多彩なため,ガイドラインなども参照されたい.
適度な運動は心不全の予後を改善