●病態
・胎児循環の遺残である動脈管が生後も開存している病態.
・左右短絡による肺血流増加および左心不全症状として多呼吸,哺乳力の低下や体重増加不良や尿量減少がみられることがある.
・短絡血流は通常,左右方向で左心系の容量負荷を呈する.肺高血圧が持続してEisenmenger(アイゼンメンゲル)化すると右左短絡となりチアノーゼを呈する.
・胸骨左縁上部に連続性雑音を聴取する.
・心電図は左室肥大を示し,胸部X線は心拡大と肺血管陰影の増強がみられる.
・心エコーは大動脈から肺動脈分岐部につながる管腔構造と,カラードップラーで左右血流シグナルが描出されるが,右左方向の場合は血流方向が通常の肺血流シグナルと同方向のため,見逃される可能性がある.
●治療方針
新生児動脈管開存に関しては別項(「早産児の動脈管開存症」→)を参照.乳児期以降の動脈管の治療としては,カテーテル治療が主流であるが,形態により外科的結紮術