診療支援
治療

骨肉腫
osteosarcoma
細野亜古
(国立がん研究センター東病院小児腫瘍科・医長)

●病態

・骨肉腫は骨形成,骨成長,骨代謝に関与する骨芽細胞,破骨細胞が悪性化した疾患である.

・病理学的には腫瘍細胞が骨を形成する間葉系悪性腫瘍と定義され,骨芽細胞型,軟骨芽細胞型,線維芽細胞型に分類される.

・原因は不明だが,成長期である10歳代に最も多く全体の60%を占めることから,骨成長の速さと骨肉腫の発症の関連性が提唱されている.

・わが国の発症数は日本小児血液・がん学会固形腫瘍登録のデータでは年間40~50例ほどであるが,小児期に発症する原発性悪性骨腫瘍のなかでは最も多い疾患である.

・骨肉腫の発症部位は約70%が膝関節周囲の,大腿骨遠位骨幹端と脛骨近位骨幹端である.

・臨床症状に特有の症状はないが,進行性の疼痛と患部の腫脹が特徴である.

●治療方針

A.手術可能例

 骨肉腫は手術単独治療での5年生存率は約20%である.しかし化学療法を併用することで,長期生存が80%程度まで改善する.術前化学療法

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