治療のポイント
・治療を開始する前に,診断が適切であるか否かを慎重に判断する.
・治療の適応になるのは,てんかん発作が患児のQOLを低下させる場合である.
・抗てんかん薬の選択は主に発作型による.
・非合理的な日常生活の制限は,スティグマの原因となるため忌避するべきである.
●病態
・てんかんは,大脳の神経細胞が過剰に興奮することに起因する脳機能障害発作(てんかん発作)を反復する慢性の脳の疾患である.
・一般的には2回以上の発作を反復した場合にてんかんと診断する.
・初回発作を認めた際に,次の発作が10年間に60%以上の確率で起きると考えられる場合には,初回発作時にてんかんと診断してもよい.
●治療方針
てんかんの治療の成否に大きくかかわるのは,正確な診断とそれに基づく治療反応性や長期予後の推定である.てんかん発作か否かの鑑別が最も重要であり,誤った診断は不要な投薬や見せかけの治療抵抗性につながる.
てんか