診療支援
治療

亜急性硬化性全脳炎
subacute sclerosing panencephalitis(SSPE)
細矢光亮
(福島県立医科大学小児科学・教授)

●病態

・亜急性硬化性全脳炎(SSPE)は,麻疹ウイルスの脳内持続感染の結果生ずる,麻疹ウイルス変異株(SSPEウイルス)による遅発性中枢神経感染症(ウイルス性脳炎)である.

・麻疹罹患後,通常3~12年の潜伏期を経て知能低下や行動異常などの大脳徴候で発症し,その後けいれん,ミオクローヌス,運動性徴候が出現,進行して昏睡や後弓反張,さらに無言症,全大脳皮質機能消失をきたして死に至る.

・わが国では,麻疹ワクチンの接種率向上とともに麻疹発症者数が減少し,それによりSSPEの発生数は年間0~数例ときわめてまれな疾患となった.

●治療方針

 イノシンプラノベクス(イソプリノシン)の内服療法と,インターフェロンの脳室内投与療法の併用を行う.診断がつき次第,早期にイノシンプラノベクス経口投与を開始し,オンマヤリザーバーを設置してインターフェロンの脳室内投与を行う.

 イノシンプラノベクスは抗ウイルス作用と免疫賦

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