●病態
・成人期には脊髄小脳変性症として,小児期には進行性ミオクロニーてんかんとして発症し,てんかん,小脳失調,ミオクローヌスや舞踏病様運動などの不随意運動,知的退行,痙性麻痺や痙縮が進行性に出現する神経変性疾患である.
・原因遺伝子はatrophin1で,常染色体優性遺伝形式を呈するトリプレットリピート病の1つであり,次の世代に遺伝する際に表現促進現象を呈する.
●治療方針
根治療法はなく対症療法が主体となる.
A.てんかん
発作型に合わせて抗てんかん薬を使用する.ミオクロニー発作や強直間代発作など,全般発作が多く報告されている.
Px処方例 下記の薬剤を症状に応じて適宜用いる.
➊デパケン薬細粒 1日20~30mg/kg(成分量として) 1日3回に分けて
または,セレニカ薬R顆粒 1日20~30mg/kg(成分量として) 1日2回に分けて
➋イーケプラ薬ドライシロップ 1日30~60mg/kg(成分量として) 1日2回に分けて
➌マイスタン薬細粒 1日0.2~1.0mg/kg(成分量として) 1日1~2回に分けて
B.痙性麻痺・痙縮
Px処方例 下記の薬剤を症状に応じて適宜用いる.
➊セルシン薬シロップ 1日0.1~0.5mg/kg(成分量として) 1日3回に分けて
➋エペリゾン塩酸塩薬錠(50mg) 1日2~5mg/kg 1日3回に分けて
➌ダントリウム薬カプセル 1日0.5~2mg/kg 1日3回に分けて
➍リオレサール薬錠 1日0.1~0.5mg/kg 1日3回に分けて
その他,ボトックス,バクロフェン持続髄注などを病状に合わせて考慮する.
C.不随意運動
非てんかん性ミオクローヌスに対するピラセタム,舞踏様運動に対するハロペリドールなど,症状に合わせて適宜使用する.
D.その他
運動失調症状や痙性,退行に対してはリハビリテーションを行う.病状の進行に応じて経鼻胃管の使用や胃瘻造設,非侵襲的陽圧
関連リンク
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