診療支援
治療

歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症
dentatorubral-pallidoluysian atrophy(DRPLA)
里 龍晴
(長崎大学病院小児科)

●病態

・成人期には脊髄小脳変性症として,小児期には進行性ミオクロニーてんかんとして発症し,てんかん,小脳失調,ミオクローヌスや舞踏病様運動などの不随意運動,知的退行,痙性麻痺や痙縮が進行性に出現する神経変性疾患である.

・原因遺伝子はatrophin1で,常染色体優性遺伝形式を呈するトリプレットリピート病の1つであり,次の世代に遺伝する際に表現促進現象を呈する.

●治療方針

 根治療法はなく対症療法が主体となる.

A.てんかん

 発作型に合わせて抗てんかん薬を使用する.ミオクロニー発作や強直間代発作など,全般発作が多く報告されている.

Px処方例 下記の薬剤を症状に応じて適宜用いる.

➊デパケン細粒 1日20~30mg/kg(成分量として) 1日3回に分けて

 または,セレニカR顆粒 1日20~30mg/kg(成分量として) 1日2回に分けて

➋イーケプラドライシロップ 1日30~60mg/kg(成分量として) 1日2回に分けて

➌マイスタン細粒 1日0.2~1.0mg/kg(成分量として) 1日1~2回に分けて

B.痙性麻痺・痙縮

Px処方例 下記の薬剤を症状に応じて適宜用いる.

➊セルシンシロップ 1日0.1~0.5mg/kg(成分量として) 1日3回に分けて

➋エペリゾン塩酸塩錠(50mg) 1日2~5mg/kg 1日3回に分けて

➌ダントリウムカプセル 1日0.5~2mg/kg 1日3回に分けて

➍リオレサール錠 1日0.1~0.5mg/kg 1日3回に分けて

 その他,ボトックス,バクロフェン持続髄注などを病状に合わせて考慮する.

C.不随意運動

 非てんかん性ミオクローヌスに対するピラセタム,舞踏様運動に対するハロペリドールなど,症状に合わせて適宜使用する.

D.その他

 運動失調症状や痙性,退行に対してはリハビリテーションを行う.病状の進行に応じて経鼻胃管の使用や胃瘻造設,非侵襲的陽圧

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