●病態
・自閉スペクトラム症(ASD)はDSM-5の診断基準で「社会的コミュニケーションの障害」と「限定された興味」の2つを満たすと定められている.ASDの中核症状は社会的なコミュニケーションの問題や社会的相互作用の障害であり,また限定された行動や物に特別な興味をもち,変化に抵抗し,仲間に合わせて活動できない.
・周辺症状としては易刺激性や攻撃性,自傷行為,かんしゃくなどがある.また気分と感情の不安定性や感覚過敏がある.症例によれば多動が認められることもある.これらの周辺症状は本人のみならず家族にも重大な影響を及ぼす可能性がある.自閉性障害の中核症状を治療できる薬物療法はまだ見出されていないが,自閉性障害に伴う興奮性の行動障害の治療に非定型抗精神病薬が有効である.
●治療方針
周辺症状のうち易刺激性や攻撃性,自傷行為,かんしゃくなどが強く出てきた場合は行動療法だけでは対応できず,薬物療法を行うこ
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