Ⅰ.化膿性骨髄炎
●病態
・骨髄内の細菌感染症で下肢,骨盤に好発し,多くは血行性感染である.
・起炎菌は黄色ブドウ球菌が最多で,近年はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の割合が上昇している.
・発熱,罹患部周囲の疼痛や腫脹,血液検査で炎症反応の上昇が認められる.
・診断,鑑別にMRI検査が有用である.
●治療方針
早期からの適切な抗菌薬投与によって治癒し,機能的予後も良好である.血液培養で起炎菌同定に努めるが陽性率は高くなく,MRSA感染を念頭においた治療を行う.予後危険因子(①2歳以下,②免疫不全状態,③治療開始遅延,④既治療への抵抗性)と,患児が居住する地域での黄色ブドウ球菌感染症におけるMRSAの検出割合に応じた抗菌薬を選択する.
臨床症状と血液検査での炎症反応が改善するまで2~3週間経静脈的投与を続ける.海外では経口薬への早期変換が行われているが,わが国では経口薬の用法・用量に制限があり
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