Ⅰ.疥癬
●病態
・疥癬はヒトヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)がヒトの皮膚角質層に寄生して生じる感染性皮膚疾患である.
・症状は激しいかゆみと体幹,四肢の掻破痕である.
・特徴的な皮疹として,手足の疥癬トンネル,男性の場合は陰嚢や陰茎部に結節が生じる.
・重症型の角化型疥癬(ノルウェー疥癬)は感染力がきわめて強い.
●治療方針
治療には,フェノトリンローション(スミスリン)外用とイベルメクチン(ストロメクトール)内服がある.
フェノトリンローションは通常,首から下の全身に塗布し,1週間後に再塗布する.イベルメクチンは体重に応じた量を内服し,1週間後に再投与する.
Px処方例 体重15kg以上の小児は,下記のいずれかを用いる.重症の場合,下記を併用する.生後2か月以上・体重15kg未満の小児には➊を用いる.
➊スミスリン薬ローション(30g/本) 1回1本 首から下の全身に塗布 1週間隔で2