治療のポイント
・診断には白癬を疑うこと,鏡検で真菌要素を確認あるいは培養による真菌の同定が必要である.
・体部白癬では外用薬による治療が一般的であるが,悪化するリスクもある.
・頭部白癬では内服薬による治療が望ましい.
・保険適用がある抗真菌薬はイトリゾールとラミシールしかないが,いずれも小児への投与量は明記されていない.
●病態
・白癬は皮膚糸状菌による表在性真菌症であり,皮膚糸状菌はMicrosporum(M)属,Trichophyton(T)属,Epidermophyton(E)属からなる.
・白癬は部位により病名が分かれ,わが国では頭部白癬,体部白癬,股部白癬,手白癬,足白癬,爪白癬と呼称されている.
・小児によくみられる白癬は,頭部白癬や体部白癬である.
・原因真菌では動物からの感染であるM.canisとT.mentagrophytesによるものや,格闘技系スポーツで蔓延するT.tonsuran