●病態
・網膜血管の未熟性に基づく疾患で在胎週数34週未満,出生体重が1,800g未満の低出生体重児に起こりやすく,生後3~6週頃に発症する.
・高濃度酸素の投与がリスク因子の1つと考えられており,伸展途中の網膜血管を収縮させることで血管先端の閉塞を引き起こす.
・その結果,虚血に陥った周辺網膜から血管内皮増殖因子(VEGF)が過剰に産生され,病的血管新生が生じる.
・この新生血管からは出血や線維血管増殖が起こることもあるが,ほとんどの場合は途中で進行が止まり自然に治癒する.
・もし重症化すると,発達した増殖膜の瘢痕収縮による牽引性網膜剥離を起こして失明する可能性がある.
・わが国では厚労省分類と国際分類がともに用いられている(表1図).
●治療方針
未熟児網膜症治療の基本は,過剰なVEGFをコントロールすることにある.そのためには網膜血管の閉塞を予防する酸素投与の適正管理,VEGFを過剰産生する虚血網